博士を目指すカービィ

博士学生の独り言

FEniCSでCFD入門①(非圧縮Navier-Stokes方程式)


Opensourceの有限要素法ベースのCFDソルバーであるFEniCSを使ってみようと思い最近触り始めました.

fenicsproject.org

 

WSLとanacondaを用いてFEniCSのインストールを行いました.

開発環境はWSL+anaconda+jupyter notebookです.

↓インストールの詳細に関しては以下の記事を参照しました.

qiita.com

 

今回は有名なカルマン渦列のシミュレーションを行います.

↓カルマン渦列です(日本機械学会より引用https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/09:1002355).

 

チュートリアルでカルマン渦列のシミュレーションをしようとしたのですがエラーが多く思うように動作しません.

 

↓参考にしたチュートリアルの記事

fenicsproject.org

記事中ではFenicsの内部関数で形状・メッシュの作成を行っていましたが,以下のようなエラーが出て動きませんでした.

---------------------------------------------------------------------------
ImportError                               Traceback (most recent call last)
/tmp/ipykernel_9077/1743617236.py in <module>
----> 1 import mshr

~/anaconda3/lib/python3.8/site-packages/mshr/__init__.py in <module>
     22 import dolfin
     23 
---> 24 from .cpp import Circle
     25 from .cpp import Ellipse
     26 from .cpp import Rectangle

ImportError: generic_type: type "CSGGeometry" referenced unknown base type "dolfin::Variable"

↓FEniCS projectのオープンスラックで質問したところ以下のような回答が得られました.

どうやら,FEniCS内部で形状とメッシュを作成するmshrは非推奨となっているようです.外部のメッシャーで構築したメッシュをFEniCS内部に読み込むということでしょうか.

 

今回は面倒だったのでカルマン渦用のメッシュをgithubから拾ってきました.このリポジトリ内のdolfin/data/meshes/内のcylinder.xml.gzを使用します.

github.com

 

↓動作を確認したコードを以下に貼っておきます.

from dolfin import *

# Print log messages only from the root process in parallel
parameters["std_out_all_processes"] = False;

T = 5.0            # final time
num_steps = 5000   # number of time steps
dt = T / num_steps # time step size
mu = 0.001         # dynamic viscosity
rho = 1            # density

mesh = Mesh("cylinder.xml.gz")

# Define function spaces
V = VectorFunctionSpace(mesh, "Lagrange", 2)
Q = FunctionSpace(mesh, "Lagrange", 1)

# Define boundaries
inflow   = 'near(x[0], 0.0)'
outflow  = 'near(x[0], 2.4)'
walls    = 'x[1]<0.0 || near(x[1], 0.4)'
cylinder = 'on_boundary && x[0]>0.1 && x[0]<0.3 && x[1]>0.1 && x[1]<0.3'

# Define inflow profile
inflow_profile = ('4.0*1.5*x[1]*(0.41 - x[1]) / pow(0.41, 2)', '0')

# Define boundary conditions
bcu_inflow = DirichletBC(V, Expression(inflow_profile, degree=2), inflow)
bcu_walls = DirichletBC(V, Constant((0, 0)), walls)
bcu_cylinder = DirichletBC(V, Constant((0, 0)), cylinder)
bcp_outflow = DirichletBC(Q, Constant(0), outflow)
bcu = [bcu_inflow, bcu_walls, bcu_cylinder]
bcp = [bcp_outflow]

# Define trial and test functions
u = TrialFunction(V)
v = TestFunction(V)
p = TrialFunction(Q)
q = TestFunction(Q)

# Define functions for solutions at previous and current time steps
u_n = Function(V)
u_  = Function(V)
p_n = Function(Q)
p_  = Function(Q)

# Define expressions used in variational forms
U  = 0.5*(u_n + u)
n  = FacetNormal(mesh)
f  = Constant((0, 0))
k  = Constant(dt)
mu = Constant(mu)
rho = Constant(rho)

# Define symmetric gradient
def epsilon(u):
    return sym(nabla_grad(u))

# Define stress tensor
def sigma(u, p):
    return 2*mu*epsilon(u) - p*Identity(len(u))

# Define variational problem for step 1
F1 = rho*dot((u - u_n) / k, v)*dx  + rho*dot(dot(u_n, nabla_grad(u_n)), v)*dx  + inner(sigma(U, p_n), epsilon(v))*dx  + dot(p_n*n, v)*ds - dot(mu*nabla_grad(U)*n, v)*ds  - dot(f, v)*dx
a1 = lhs(F1)
L1 = rhs(F1)

# Define variational problem for step 2
a2 = dot(nabla_grad(p), nabla_grad(q))*dx
L2 = dot(nabla_grad(p_n), nabla_grad(q))*dx - (1/k)*div(u_)*q*dx

# Define variational problem for step 3
a3 = dot(u, v)*dx
L3 = dot(u_, v)*dx - k*dot(nabla_grad(p_ - p_n), v)*dx

# Assemble matrices
A1 = assemble(a1)
A2 = assemble(a2)
A3 = assemble(a3)

# Apply boundary conditions to matrices
[bc.apply(A1) for bc in bcu]
[bc.apply(A2) for bc in bcp]

# Create XDMF files for visualization output
u_file = File('navier_stokes_cylinder/velocity.pvd')
p_file = File('navier_stokes_cylinder/pressure.pvd')

# Create time series (for use in reaction_system.py)
timeseries_u = TimeSeries('navier_stokes_cylinder/velocity_series')
timeseries_p = TimeSeries('navier_stokes_cylinder/pressure_series')

# Save mesh to file (for use in reaction_system.py)
File('navier_stokes_cylinder/cylinder.xml.gz') << mesh

# Time-stepping
t = 0
for n in range(num_steps):

    # Update current time
    t += dt

    # Step 1: Tentative velocity step
    b1 = assemble(L1)
    [bc.apply(b1) for bc in bcu]
    solve(A1, u_.vector(), b1, 'bicgstab', 'hypre_amg')

    # Step 2: Pressure correction step
    b2 = assemble(L2)
    [bc.apply(b2) for bc in bcp]
    solve(A2, p_.vector(), b2, 'bicgstab', 'hypre_amg')

    # Step 3: Velocity correction step
    b3 = assemble(L3)
    solve(A3, u_.vector(), b3, 'cg', 'sor')

    # Plot solution
    plot(u_, title='Velocity')
    plot(p_, title='Pressure')

    # Save solution to file (XDMF/HDF5)
    u_file << u_
    p_file << p_

    # Save nodal values to file
    timeseries_u.store(u_.vector(), t)
    timeseries_p.store(p_.vector(), t)

    # Update previous solution
    u_n.assign(u_)
    p_n.assign(p_)

    # Update progress bar
    print('u max:', u_.vector().get_local().max())

細かいコードの解釈はまだできていないため,今後解釈でき次第追記していきたいと思います!

 

可視化はおなじみのParaviewで行いました.

↓カルマン渦列が見えますね!

見知らぬ人が作成したメッシュなのでかなり荒いメッシュです.

今度は自力でメッシュ作成からFEniCSで流体計算までしてみようと思います!

コスパで考える修士課程

現在、D1の学生ですが、思い返せば修士課程は非常にコスパが良かったなと感じています。

 

一般的な国立大学の修士課程のコストを考えてみます。

受験料がおおよそ30,000円、入学金が282,000円、

年間授業料が535,800円なので、2年間でかかる総コストは1,383,600円かかるかと思います。

 

私は修士課程の2年間、ほとんどの学費を免除され、払った額は受験料30,000円、入学金282,000円、授業料の半期分の半額である133,950円で、総額445,950円でした。

 

授業料免除に加えて給付型の奨学金を3つほど頂いていました。

①中董奨学金

重複受給可能な給付型奨学金です.私は自由応募で応募しましたが,学校推薦がある高校や学科もあるそうです.成績と小論文,指導教員の推薦書の提出が必要だったと思います.応募時期はM1の春です.

月額40,000円奨学金です。修士1年から修士2年までの2年間頂いていました。

2年間で総額960,000円頂きました。

↓中董奨学会のリンクです

www.nakashima-foundation.org

 

②山田育英会

重複受給可能な給付型奨学金です.家計状況の提出と成績表,小論文,学科長の推薦書の提出が必要です.応募時期はM1の春です.

月額25,000円奨学金です。修士1年から修士2年までの2年間頂いていました。

コロナの影響で修士1年の10月から3月までの半年間は月額35,000円に増額して頂きました。

2年間で総額660,000円頂きました。

↓山田育英会のリンクです。

yamada-ikueikai.or.jp

 

③学内の奨学金

こちらも重複受給可能な学内の給付型奨学金です.

博士課程プログラムに在籍していたため、修士2年の間月額20,000円頂いてました。

2年間で総額240,000円頂きました。

 

3つの奨学金で2年間の総額1,860,000円頂きました。

結局、修士課程でかかったコストとしては

+1,860,000円−445,950円=+1,414,050円のプラスでした。

よくよく考えてみると140万ほど頂いて、修士の学位を取得できたことを考えるとコスパ最強だなと思いました。

私は結局博士課程に進学してしまったので、修士で就職した人と比べると経済的なアドバンテージはありませんが、修士課程で就職していれば、かなりお得感ありますよね。

日本の民間奨学金はかなり充実していて、経済的に恵まれない人も学部で勉強を頑張ればお金を貰って大学院に通うこともできるということですね...!

 

学部4年生のときも月額50,000円の給付型奨学金を頂いていました。年額600,000円ですね。

 

思い返すとこれまで多くの給付型奨学金を頂いてきました。

修士課程に進学を考えてる人は積極的に給付奨学金に応募することをおすすめします。

給付型奨学金に通るコツはとして,どこの奨学金財団でも成績表の提出が必要なので,学部時代に真面目に勉強してGPAをしっかり取っておくことでしょうか.課題の作文については気合を入れて書くしかありません。

 

この他には学内のTA(ティーチングアシスタント)やRA(リサーチアシスタント)も週1でやっていました.

TAは所属研究室の先生が担当する実験のお手伝いや試験官などで、RAは大学内の研究のお手伝いのバイトでした。大学内のバイトは時給も高く交通の便も良いのでオススメです。私の大学ではTAの時給は1200円で、RAの時給は1300円でした。

 

これらの奨学金や授業料免除、学内バイトのおかげで非常にコスパの良い修士課程を送ることができ,しっかり貯金ができたのも博士課程進学への後押しとなりました.

 

博士課程を将来的に考えている学生は給付奨学金にたくさん応募しておくことをオススメします.

 

JSTなどの奨励金とRAのバイト代で過ごした博士課程1年目の金銭事情についてはこちらにまとめています.

hakatanoshio-s.hatenablog.com

JST次世代研究費の使い道

 

博士課程では修士課程と異なり研究費を獲得している学生が多いと思います.

研究費の獲得方法としては学術振興会特別研究員(DC1,DC2)が最も多いでしょうか.それ以外ではJST次世代制度や研究費付きの奨学金なども考えられます.

 

私は,現在D1の博士課程の学生ですが,これまで2件の研究費(学内:30万円,JST次世代:60万円)を獲得しました.

JST次世代の1年間の生活費事情については以下の記事でまとめています.

hakatanoshio-s.hatenablog.com

 

計算系の研究を行っていてすでに研究室内にサーバーやPCがあったため研究費的には十分な余裕がありました.

研究費で買ったものなどを参考程度にご紹介できればと思います.

 

①ノートパソコン

研究用のノートパソコンを持っていなかったため購入しました.

そこそこスペックの高いノートパソコンを購入したことで学会時の発表や移動時の作業などがかなりはかどりました.

 

iPad Pro

iPad Proの第四世代を購入しました.これまでiPadを購入したことはなかったのですが,移動時や家などで論文を読むのがかなりはかどりました.また,Goodnoteと組み合わせることでミーティング内容の整理やメモなども取りやすくなり研究のQOLがかなり向上しました.

 

Apple pencil

iPadとセットですね.iPadでメモやノートをとる際に必須のツールです.無くしやすいので注意です.

 

④モニター

モニターが色飛びしていたり,調子が悪かったのでこれを機に新調しました.現在のところ満足しています.色が非常に奇麗です.

 

⑤HHドライブの接続ステーション

HHドライブのドッキングステーション.先輩方が残していかれたデータなどをHHドライブから読み込む際に使用します.

 

⑥マウス

トラックボール無線マウスを購入しました.無線なので机がごちゃごちゃしないし,非常におすすめです.疲れないので慣れたらトラックボールやめられないです.

 

⑦キーボード

ハイエンドキーボードというやつでしょうか.打鍵音が素敵です.慣れたら普通のキーボードに戻れません.

 

⑧大容量USB充電器120W

ノートPCの充電も可能な120Wの充電器を買いました.学会時のPC充電や持ち運びに便利です.デザインも可愛くて素敵です.

 

⑨外付けHHドライブ

データの保存用に購入しました.

 

iPad用キーボード

iPad用のキーボードです.これは買ったものの中で唯一必要なかったなと感じました.実際,Apple pencilがあればいらないんですよね.

 

⑫MathType

これはソフトウェアですが,wordのプラグインとして利用できる数式エディタです.wordの数式だと勝手に太字になってしまったり,不便な点が多いためおススメされ購入しました.Texと同じ感覚で数式を入力できるため数式を入力する際のストレスが減少しました.ライセンスが1年単位で,価格は1万円/年程度です.

www.senko-corp.co.jp

 

Dropbox professional

データや原稿のバックアップに便利なので契約していました.2900円/月程度でした.

www.dropbox.com

その他書籍もたくさん購入しました.

あとは学会の参加費や旅費などが主な使い道ですかね..

今年度は備品に多く研究費を使用しましたが,意外とすぐに無くなってしまうものですね.来年度は大規模計算用に計算機の購入などを検討しています.

 

自分で獲得した研究費で自分の裁量で研究費を活用して研究を推進することができるのは博士課程の大きなメリットの一つだと感じています.

企業に就職したらお給料や安定は得られますが,このような経験はできないと思います.実際に自分で研究費を使うようになって,自分の研究に責任感も感じ,研究が楽しくなってきました.

来年度以降も研究費の有意義な使い道を考えていきたいです.

 

 

個人的論文の探し方

個人的にどのように論文を探しているのかを共有しようと思います。卒業論文修士論文のIntroductionやDiscussionでは大量の論文を引用して研究内容の背景や自身の研究の意義について考察する必要があります。

そこで、私が行っている論文の探し方について紹介します。これから研究を始める学部生の参考になればと思います。

 

Web of Science

私が一番使用しているのはWeb of Scienceというツールです。以下のリンクから飛べます。

https://clarivate.com/ja/solutions/web-of-science/

 

実際に論文を探してみよう

製品へ移動ボタンをクリックしてみる

以下のようにText box内に自分の研究分野や調べたいキーワードやフレーズを入力する。私の研究内容を例として入力してみる。

すると、検索結果が表示されます。
今は関連度を並び替え条件で使用していますが、引用数が多い順番や最新順などで並び替えることも可能です。

Web of Scienceで特に便利なのが、被引用論文と引用論文に飛ぶことができることでしょうか。

被引用論文と引用論文のリンクをクリックすると被引用論文(この論文を引用している論文)の一覧、引用論文(この論文が引用している論文)の一覧を見ることができます。そのため、自身の研究分野を遡ることが容易にできます。

研究室に配属されたばかりの学生や研究分野が新しく変わった学生などは研究分野全体の変遷や動向を掴むためにまずはReview論文を読むということが多いかと思います。

その時は左側の絞り込み機能を用いてReview論文の絞り込みを行いましょう。

Review Articleのチェックボックスにチェックを付けて絞り込みを行うことでReview論文のみを検索結果に表示することができます。

検索後は自分が読みたい論文のリンクに飛ぶことで、論文の著者や抄録、キーワードなどが詳しく見れます。

実際に論文をPDFとしてダウンロードしたい方は出版社の全文というリンクから出版社のページに飛んでPDFのダウンロードを行ってください。

Web of Scienceの基本的な使い方はこの程度でしょうか。

使い方について複雑なことは特にないのですぐになれるかと思います。

個人的に論文検索で一番おすすめのツールです!

 

Google scholar

Google scholarも論文検索としては有用だと思います。

https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja

使用方法としては検索ボックス内にキーワードやフレーズを入力して検索するだけです。

検索結果が表示されるので自分が気になる論文のリンクに飛んでください。

シンプルなので非常に使いやすいです。

個人的には文献検索ツールとしてはWeb of ScienceとGoogle scholarの2種類があれば困らないのかなと考えています。

ただ、Google scholarで検索した結果、質の悪い論文などもたくさん出てくるので論文の質については取捨選択する必要があります。

また、ほかの方法として、Googleで直接検索して画像から気になるFigureを見つけたらそのリンクに飛んでみたりもしています。

 

Google検索(画像)

Googleの画像検索で直接検索してみた結果です。

面白そうな論文の図がたくさん出てきました。

興味のある研究分野について関連論文を視覚的に探すことができるためこの論文の探し方も個人的には結構お気に入りです。

研究背景のプレゼンテーションなどで分かりやすいカッコいい絵を探す際にもこの方法は結構活用しています。

個人的な論文の探し方について書きました。面白いツール見つけたら追記します。

DC1に落ちた博士学生の1年間の金銭事情

私は現在D1ですが、日本学術振興会特別研究員DC1に落ちました。

来年度のDC2には採用されました.

↓2023年度DC2の採用経緯について記事を書いています.

hakatanoshio-s.hatenablog.com

学振に落ちた博士学生にとって金策に関しては死活問題だと思われるので学振に落ちたD1の金銭事情についてご紹介できたらと考えています。

 

JST次世代挑戦的プログラム

JST次世代挑戦的プログラムは最近設立された博士学生用のプログラムです。https://www.jst.go.jp/jisedai/

このプログラムでは研究奨励金(毎月のお給料)と研究費がもらえます。

私の大学では研究奨励金が月額15万、研究費が年額60万円まで貰えます。

JST研究費の使い道などに関する記事

hakatanoshio-s.hatenablog.com

選考方法は研究計画などの書類+動画面接(3分)でした。

書類については研究計画などが中心でA4二枚程度でした.

学振申請書を出していれば楽に準備できると思います。

倍率も3倍程度で学振よりは低い倍率で大変ありがたい制度でした。

ただ、研究奨励金はしっかりと課税対象になり、親の扶養からも外れてしまうので注意してください。年度末に自身で確定申告する必要があるみたいです。

 

日本学生支援機構第一種奨学金

日本学生支援機構の無利子の奨学金です。

www.jasso.go.jp

博士課程は奨学金をMAXで月額12.2万円まで借りることができます。

私は月額12.2万円を借りていました。これは考え方は人それぞれですが、使う使わないにしろ利子が無いので借りれる人は全額MAXまで借りておくのが賢い戦略でないかと思っています。借りているお金とはいえ、いざというときに使うことができるお金があるというのは心の大きな余裕になりました。

この第一種奨学金は博士課程の修了時、または学振に採用されたときに打ち切りとなりますが、返還免除の選考があります。

選考の結果返還免除の対象に選ばれると半額、もしくは全額の免除対象となります。

もし、第一種奨学金を月額12.2万円で3年間借りていた場合、

12.2万円×12か月×3年間=439.2万円になります。

これが全額・もしくは半額免除になる可能性を考えれば絶対に借りておいた方がお得だと思います。もし免除にならなければ使わずそのまま一気に返還するのも戦略の1つですね。

私の場合、来年度は学振に採用されたので、打ち切りとなります。

学振と併用はできないので、現在返還免除の申請をしています。

 

学内RA

今年度の1年間は学内のRAとして週二日ほど勤務させていただきました。

私の大学では博士学生の場合RAの時給は1486円となります。私は週9時間勤務をしていました。なので、月の収入目安としては9時間/週×4週×1486円=53000円程でしょうか。家賃分程度はアルバイトで稼いでいました。課税されることを考えると、一人暮らしの学生は次世代JSTの月額15万円のみの支援では厳しいなと感じました。。。 

また,業務内容がプログラミングで研究で培ったコーディング能力が生かせる業務だったので個人的にはRAをやっていてよかったなと感じています.

 

授業料

国立大学に在籍していますが、授業料の免除申請も行いました。学部生や修士学生は親の扶養下に入っているので、学費免除申請には親の収入証明書などが必要で結構面倒な手続きが多くありました。私は、JST次世代に通っていたので、親の年収に関係なく独立生計で免除申請を行うことができたので、授業料の免除申請は非常に楽になったと感じました。

ありがたいことに前期分の授業料は免除していただきました。後期分は結果待ちですね。

 

まとめ

今回は税金については考慮していませんが、学振に落ちた博士学生の1年目の単純な手取り金額として、

15万円+12.2万円+5.3万円=32.5万円

額面年収として32.5万円×12か月=390万円といったところでしょうか。

奨学金を借りているとはいえ、なかなか悪くない金額だと思います。実際生活にはかなり余裕がありました。授業料が免除されなかったら結構厳しかったかもしれません。

奨学金の免除申請が通れば院卒の初年度年収と大差ないかもしれないです!

 

学振DC1に落ちても金銭面的には困ることはありませんでした。むしろ奨学金と学振の併用ができないので学振に受かったほうが金銭的には損をする可能性も十分にあります。

この記事を読んで、学振に落ちた博士進学希望者の金銭的な心配を少しでも減らしていただければと思います!

 

 

 

 

 

 

論文ゼロで学振DC2に採用されたのでメモ

 

現在D1です.

2023年度日本学術振興会の特別研究員DC2に採用されたのでメモを残しておきます.

学振に関しては書き方のテクニックが大事であり、基本的には毎年ドクター進学者を輩出しているようなビッグラボに所属している学生が学振の書き方や研究室内の添削システムが機能しているため、圧倒的に有利だと思います。

二次採用経由ですが、DC2に論文ゼロで採用されたのは割と珍しい思うので、参考になるよう記録として残しておこうと考えました。

私の研究室は日本人ドクターの学生が自分のみで,最後に学振を取ったドクターの先輩は5年前に卒業してるので学振に関して研究室内の学振添削などのシステムや書き方のテクニックなどはありませんでした.

そのため,学振申請書を描く際には多くのブログを参考にしました.

昔から自分がお世話になった際には記事として残し,後世に還元するように意識しています.

 

申請分野

生体医工学関連

 

申請時の業績

  • 査読付き論文:0(投稿済みで現在修正中:1件とアピールした)
  • 査読付き国際学会:2件(口頭1件,ポスター1件)
  • 査読なし国内学会:4件(口頭2件,ポスター2件)
  • 受賞,研究資金など:受賞1件(学内表彰),研究資金2件(次世代JST,学内研究費)

 

時系列

 

DC1申請時

DC1は普通に落ちた.不採用Bだった.

DC1時点の業績

  • 査読付き論文:0
  • 査読付き国際会議:1(ポスター)
  • 査読なし国内学会:3(口頭1、ポスター2)

当時のツイート

論文もなかったし落ちて当然と考えていたので全く落ち込まなかった。

前年度からJST次世代制度が始まっていたからそちらに受かるだろうという算段もついていた(この時点では受かっていない).

学振についてネットで調べ,他研究室の先輩のツテでDC2に通った申請書を2つ頂いたので参考にし,自分の申請書を完成させた.

研究室の指導教員と学振に通った先輩に一度ずつ添削してもらった.

学内の添削制度も利用したが,形式的なコメントのみであまりあてにならない感じがした.

やはり査読論文がないと厳しそうなのでDC2には論文のacceptを間に合わせようと考えていた(なおDC2に間に合わなかった).

JST次世代については以下のリンクを参照。各大学によって制度は異なります。私の大学では月額15万円、研究費が年額60万円いただけます。

www.jst.go.jp

 

DC2の申請

3月

論文の投稿を完了させる.この頃にはDC2に論文が間に合わないことは確実にわかっていたためDC2は絶望的だと感じていた.JSTには通っていたので生活費程度なら何とかなる気もしていた.DC2論文なしは無理ゲーとの前情報があったので時間の無駄と思い特に準備をしなかった.

 

4月

研究科内の締め切りが提示され学振の締め切りまで残り1か月であることが判明.指導教員から出すことが大事とのありがたい言葉を頂きとりあえず準備を始める.

4月まで全く準備をしていたかったので完全な自業自得だが,学内の締め切りがGW前で切れ散らかしていた.

学振に関係あるかは不明だが,念のため個人ホームページなども作っておいた.

4/22には初稿が終わっていたみたいだ

 

5月

どうせ通らんやろと思っていたがとりあえず学振の提出を完了させる.

まあ,個人的感想だが20%しか通らないので,よっぽど業績がいいか研究内容が秀逸でない限り,過度な期待はしないほうがいいと思われる.正直運要素もあるので時間をかけすぎないようにした。

 

9月

どうせ落ちてるだろと思ってみたら二次採用候補に引っかかっていた.

論文なしでよく引っかかったなという感想.先輩や指導教員にも言われた.

申請者51名で,1次採用が8名,二次採用候補が3名という感じ.これ二次採用候補全員通ってもいいやろと思った.

 

12月

二次採用の結果が発表される.二次採用候補の3名のうち2名が採用されていた.生体医工学分野の最終採用は10/51名.

何とかギリギリ採用された.再現性はないが論文0でも通ることがあるのであきらめずに申請書の準備をしてほしいと思う.

 

DC2申請書で意識したこと

こんな限界学振ブログに行き着く人は学振のことについて調べ倒していると思われるので基本的な内容は省略する.

私がDC1申請書で意識しなかったがDC2で意識したことを簡潔にまとめる.

・本研究の着想に至った経緯は自分の今までの研究実績・明らかにしたことをベースに書くように意識した.「修士課程での研究を通じて~を解明し,***に論文投稿を行っている.修士課程で解明した現象から,もしかすると~であれば~なのではないかと考え、本研究計画の着想に至った.」のような感じだろうか.

・投稿論文をすごく強調して書く.私は採択はされていなかったが,投稿済みの論文があったため,「~の雑誌に投稿済みである」という記載を散りばめて,投稿はしていることをかなり強調して書いた.業績がない人は参考にしてほしい.

・少しの研究費や大学院プログラムの合格など書ける内容は全部書く.人物像などにも繋がる内容なので書けることはたくさん書いた.

・研究計画や研究の実施手順についてフローチャートのような図を描く.研究の実施手順や何を解明するかという点についてプログラミングのフローチャートのような矢印とブロックの流れ図のようなものを追加した.これを追加したことによって研究手順がかなりわかりやすい物になったと思う.

・研究計画は何をどんな手法で明らかにするかを明確に書く。ここを書かないと曖昧で何をしたいかわからない申請書になる。

 

逆に、後ろの方の目指す研究者像などはDC1の申請書と比べてもあまり変わっていないので、この辺はあまり差がつかないのではないかと思う。結局1枚目と2枚目の完成度をどれだけ上げられるかにかかってると思われる。

 

最後に

個人的感想だが,学振に受かる人は圧倒的優秀層と普通層の二分に分かれていて,圧倒的優秀層は学振受かる中でも2割くらいなんじゃないだろうか.やれるだけやるべきなのだろうが審査員の相性もあるだろうし、正直運ゲー要素も強いと思っている.実際、今回DC2に採用されたが、まだ論文も出せていないし自分が優秀層とは全く思わない。

論文なしDC2の申請は精神衛生上よくないので、間に合いそうな人は頑張って論文のacceptを間に合わせるように頑張ってください。。。

 

分野にもよりますが、論文0DC2は可能なので,これから書く人は論文0でもとりあえず申請書を描くように頑張ってください.

ただ,学振に落ちてもお金関係は何とかなります.

↓DC1に落ちた1年間の収入についてまとめています.

hakatanoshio-s.hatenablog.com

JST次世代で獲得した研究費の使い道

hakatanoshio-s.hatenablog.com

質問などがあればtwitterのDM投げてください