私は現在D1ですが、日本学術振興会特別研究員DC1に落ちました。
来年度のDC2には採用されました.
↓2023年度DC2の採用経緯について記事を書いています.
学振に落ちた博士学生にとって金策に関しては死活問題だと思われるので学振に落ちたD1の金銭事情についてご紹介できたらと考えています。
JST次世代挑戦的プログラム
JST次世代挑戦的プログラムは最近設立された博士学生用のプログラムです。https://www.jst.go.jp/jisedai/
このプログラムでは研究奨励金(毎月のお給料)と研究費がもらえます。
私の大学では研究奨励金が月額15万、研究費が年額60万円まで貰えます。
選考方法は研究計画などの書類+動画面接(3分)でした。
書類については研究計画などが中心でA4二枚程度でした.
学振申請書を出していれば楽に準備できると思います。
倍率も3倍程度で学振よりは低い倍率で大変ありがたい制度でした。
ただ、研究奨励金はしっかりと課税対象になり、親の扶養からも外れてしまうので注意してください。年度末に自身で確定申告する必要があるみたいです。
博士課程は奨学金をMAXで月額12.2万円まで借りることができます。
私は月額12.2万円を借りていました。これは考え方は人それぞれですが、使う使わないにしろ利子が無いので借りれる人は全額MAXまで借りておくのが賢い戦略でないかと思っています。借りているお金とはいえ、いざというときに使うことができるお金があるというのは心の大きな余裕になりました。
この第一種奨学金は博士課程の修了時、または学振に採用されたときに打ち切りとなりますが、返還免除の選考があります。
選考の結果返還免除の対象に選ばれると半額、もしくは全額の免除対象となります。
もし、第一種奨学金を月額12.2万円で3年間借りていた場合、
12.2万円×12か月×3年間=439.2万円になります。
これが全額・もしくは半額免除になる可能性を考えれば絶対に借りておいた方がお得だと思います。もし免除にならなければ使わずそのまま一気に返還するのも戦略の1つですね。
私の場合、来年度は学振に採用されたので、打ち切りとなります。
学振と併用はできないので、現在返還免除の申請をしています。
学内RA
今年度の1年間は学内のRAとして週二日ほど勤務させていただきました。
私の大学では博士学生の場合RAの時給は1486円となります。私は週9時間勤務をしていました。なので、月の収入目安としては9時間/週×4週×1486円=53000円程でしょうか。家賃分程度はアルバイトで稼いでいました。課税されることを考えると、一人暮らしの学生は次世代JSTの月額15万円のみの支援では厳しいなと感じました。。。
また,業務内容がプログラミングで研究で培ったコーディング能力が生かせる業務だったので個人的にはRAをやっていてよかったなと感じています.
授業料
国立大学に在籍していますが、授業料の免除申請も行いました。学部生や修士学生は親の扶養下に入っているので、学費免除申請には親の収入証明書などが必要で結構面倒な手続きが多くありました。私は、JST次世代に通っていたので、親の年収に関係なく独立生計で免除申請を行うことができたので、授業料の免除申請は非常に楽になったと感じました。
ありがたいことに前期分の授業料は免除していただきました。後期分は結果待ちですね。
(追記)
後期の学費も全額免除でした。
少なくともうちの大学はJST+バイトの独立生計で全額免除通るっぽい
(2023年7月に追記)
博士一年目のJASSO奨学金も全額免除でした。
146万円分を全額免除してもらえました。
(2023年9月に追記)
JASSOの免除について改悪されて、JST次世代の受給者はJASSO奨学金の免除資格が無くなったそうです。僕の代がギリギリ最後の年だったみたいです。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/saiyochu/gyosekimenjo/tetsuduki/choufukukinshi.html
免除対象とはなりませんが利子無しでお金を借りることができる最高の制度なので学振落ちた人は取り敢えずMAX借りておきましょう。
まとめ
今回は税金については考慮していませんが、学振に落ちた博士学生の1年目の単純な手取り金額として、
15万円+12.2万円+5.3万円=32.5万円
額面年収として32.5万円×12か月=390万円といったところでしょうか。
奨学金を借りているとはいえ、なかなか悪くない金額だと思います。実際生活にはかなり余裕がありました。授業料が免除されなかったら結構厳しかったかもしれません。
奨学金の免除申請が通れば院卒の初年度年収と大差ないかもしれないです!
学振DC1に落ちても金銭面的には困ることはありませんでした。むしろ奨学金と学振の併用ができないので学振に受かったほうが金銭的には損をする可能性も十分にあります。
この記事を読んで、学振に落ちた博士進学希望者の金銭的な心配を少しでも減らしていただければと思います!